価値の本質【2025年2月】

価値の本質【2025年2月】

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価値の本質

物やサービスは、無料の物もあるし、有料の物もある。

晴れた日の気持ちのいい散歩は無料だし、喉が渇いてお茶を飲みたくなっても、自動販売機のお茶は有料だ。

公園の水道水は無料だけど、これは税金で賄われている。

素晴らしい夕日は無料だし、高尾山の登山料も無料だ。登山途中のお土産屋さんの焼き芋やお饅頭、お茶は有料だ。

毎日食べる米、野菜、肉、魚は全部有料だが、それほど高くはない。パテックフィリップのホワイトゴールドのノーチラスは1144万円で、美味しいご飯が10000食くらい食べる事ができるが、ノーチラスは食べる事はできない。

ビットコインは単なる電子的記録で食べる事も、時間もわからないが、1600万円もする。

物やサービスには、それぞれ価値があるが、ノーチラスは1114万円の価値があるのか?よくわからないが、本質的には無いよう思うし、ビットコインに至っては全くないと思う。

価値とは何か?価値の本質を考えていこうと思う。

ビットコイン

2025年にビットコイン価格が1600万円を超えた。ビットコインとはそもそも何なのか?説明できる人は1000人に1人、いや10万人に1人すらいないだろう。

私にもわからない。わかっているのは改ざん不可能という特徴のあるブロックチェーンを使用した、発行上限のある電子的な記録という事だ。

その電子的記録になぜ、1600万円という価格が付くのか?それを説明できる人は世界に何人いるだろうか?

JPモルガン・チェースのCEO ジェイミー・ダイモンは「ビットコイン自体には本質的な価値はない」としている。ウォーレン・バフェットも同様に「ビットコイン自体には本質的な価値はない」としている。

私の仕事はシステムエンジニアで、証券、債券、省の予算管理など様々なシステムに携わってきた。私が主導したシステムも多い。

私の知りうる知識でビットコインを評価するなら、改ざん不可能である点は素晴らしい理論であり、技術であり、システムだが、業務システムで使用可能な技術か?と言うと、速度が遅すぎて使い物にならない。

高速化という意味ではコンピューターの処理速度が上がれば解決される問題だが、同時に処理速度が上がれば、現在の使われているブロックチェーンの暗号技術がいずれ破られてしまう可能性がある。

処理速度が上がればより複雑な暗号化が可能になるが、複雑な暗号化で処理速度は遅くなる。

つまりコンピューターの高速化はブロックチェーンの処理速度の向上に繋がらない。

それどころか、突然現在の数百倍、数千倍の処理速度を持つコンピューターが現れれば、多くの暗号化技術は破られてしまう可能性があり、全世界でパニックが起こる。量子コンピューターがその代表例だ。

量子コンピューターの実用化にはまだ数十年時間がかかり、それまでにより高度な暗号化技術が開発されるので心配する事はないのだが。

ブロックチェーンは使い物にならないし、データを安全に管理するという意味でデータベース(現在の主流はリレーショナルデータベース RDB)は、今後も利用され続ける。

ではビットコインはなぜ1600万円になるのか?それは人の欲しいと言う欲求の成せる技だと思う。

ビットコインとはそもそも何なのか?

価格

ビットコインは電子的な記録で、米や肉のように食べられるわけでも、石油や石炭のようなエネルギーになるわけでもない。単なる電子的記録だ。

それではパテックフィリップの時計はどうだろう。単なる時計だし、時間を知るという意味では今やセイコーやカシオの時計でも1000円台で購入できる。安い中国製の時計なら数百円で買えるだろう。

パテックフィリップのホワイトゴールドを使用したノーチラスは11,440,000円で、オーディマピゲのステンレススチールのロイヤルオークは4,125,000円だ。

材料費、製造費、研究開発費、広告宣伝費、販売管理費などを加味しても、ノーチラスの原価は18金ホワイトゴールドが200グラムとして200万円、製造費、研究開発費、広告宣伝費、販売管理費などを加味しても300万円程度だろう。

ロイヤルオークにいたってはステンレススチールなので材料費は考えるまでももなく、その他費用で100万円程度と考えてよいだろう。差額は利益という事になる。

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